Manaty Graphic Design

TOKYOのIoTなベンチャーで働きながら、デザインを教えたり、デザインしたり、パラレルに生活しています。

神保町エチオピアカレーにまつわる恋の思い出

f:id:manaty_design:20150821005859j:plain

 

大学生のとき、おつきあいしていた男の子と一緒に

カレー発祥のお店「エチオピア」に行った思い出がある。

その時の彼は平たく言えばヤンキーみたいな見た目だった。

その日も上下ジャージ。彼の通う明治大学に連れて行ってもらった日のことだ。

私はというと明るい髪によくわからないちんちくりんな格好をしたザ・美大生。

なんとも謎な2人組に見えたと思う。

私たちは見た目の通り、食べ物しか趣味が合わなかった。

なんで付き合っていたのか今ではわからない。

 

 「エチオピア」のカレーは

たくさんのスパイスを調合して作られている独特な味わいだ。

かんたんに言ってしまうと薬のような味がする。

一度食べたことがあった私は

未だにつかみきれない彼がびっくりする顔が見たいなと思い

わくわくしていた。

 

エチオピアは人気のカレー屋さんでたいてい少し並ぶ。

私と彼は何の話をしながら並んだかな。

と思い文章を書いているが本当に思い出せない。

それくらい趣味のあわない2人だった。

恋愛とは、よくわからない2人がキスをして、付き合って

セックスをして、一緒に時を過ごす。

何とも不思議なものだなあと彼のことを思い出すたびに感じる。

 

 15分くらいで順番が来たのでわたしたちも食券を買った。

初めてなのに2倍の辛さで注文した彼に「辛くて泣くよ」と

知ったかぶりをしながら私は普通の辛さをお願いした。

見た目は少ししゃばしゃばした普通のおいしそうなカレーである。

2回目の私も少しドキドキしながら口に運んだのだが…

うん、美味しい!

薬膳カレーというのがぴったりだろうか。

食べるごとに好きになる味。

 

 食べるのが遅い私は食事しながらしゃべるスキルを持ち合わせていない。

インド人の食べるカレーってこういう感じかな。

とかどうでもいいことばかり考えながら一言もしゃべらず

カレーに向き合った。

単純にスパイスの辛さが後から追ってかなり効いてくるので

あまりしゃべる余裕も無い。

ふと彼を見ると、案の定尋常じゃないほど汗をかいていた。

たらたら流れる汗をぬぐいもせず無表情で独特な味のカレーを食べる彼を見て

私は不安になっていた。

ヤンキーで留年してる彼だけど、野球部だったこともあって

礼儀にはかなりうるさい。

食べ物を残すなんて失礼だ!とか思って

とにかくひたすら食べているのかな

口に合わなかったかな。

なんて心配性の私はインドのことから彼のことまで

考えなければならず、大変だった。

滝のような汗をぬぐいもせず2倍の辛さのカレーを平らげ

お店を出て近くの喫煙所でタバコをすいながら彼はわたしにひとこと言った。

 

「美味しいじゃん漢方薬みたいな味で。俺漢方薬みたいな味好きなんだよな」

 

 

汗でキラキラする額に満足げな表情でタバコを吹かす彼のコメント。

今思うと漢方薬みたいな味が好きってどういうことやねん。

とつっこみをいれたくもなるが

今思えばとても優しいコメントだった。

ヤンキーみたいだが、意外と気を使ってくれるタイプだった。

しかしエチオピアのカレーを気に入ったのはお世辞ではなく

本当だったみたい。

これでこそ連れて行った甲斐があったというものである。

 

 その15分後、彼は自分オススメのラーメン「せいや」を食べたいといいだした。

ありえない。きみ今カレー大盛り食ってたですやん。私も食ったですやん。

と思いつつも断れず「せいや」のラーメンを平らげた。

今まで感じたことが無いほど腹の中がラーメンとカレーでぱんぱんだった。

 

 恋愛は人を狂わすものですね。と今なら思う。

大人になった今はどんなに好きな人に進められてもカレーとラーメンの

ハシゴはできないでしょう。いや、できるか。

 

そんなエチオピアのカレーをぜひ機会があったら皆様も召し上がってください。

ショップカードは緑の色画用紙が鮮やかなデザインでした。

エチオピアのカレーは人に寄って好き嫌い有ると思うけど、

ほんと初体験の美味しさを味わえると思う。

私にとっては、エチオピアは恋の味。漢方の味。

 

f:id:manaty_design:20150821003938p:plain

f:id:manaty_design:20150821003941p:plain