
経営者の頭の中をのぞくために、森川さんの「シンプルに考える」を読みました。
LINEの元CEO森川亮さん。この本は、彼のLINEでの経営術をまとめた本です。
この本を読んだきっかけは、社長とのコミュニケーションがとても難しく、悩んでいたからです。経営者って、どんなことを考えているんだろう。自分や、自分のつくるものにはどんなものが求められているのだろう。ともんもんと悩んでいました。
お金や人を動かす職種と、物を生みだしたり、伝えたりする職種というのは、大切にすることが少しずつ違っていて、すれ違いが起こることはよくあるのだ。と思います。そんなときだったので、経営者を知りたいと思って読みました。
森川さんについて、初めて詳しく読んだのはこちらの記事でした。
DeNAの南場さんのことは、著書「不恰好経営」を読んだことがあり、知っていました。それで、おお!と思ってこの記事を読んだのですが「部下」という立場で正直ちょっとがっかりしたのです。
南場 学生さんと話していると、「自分が成長できる会社を選びたい」という人が多いんですよね。もちろん成長はすべきだと思うし、考え方としては間違ってはいません。けれども、入社初日から給料をもらっている以上、プロフェッショナルとして自分を追い込んで成果を出すのが第一にすべきことで。
森川 会社は学校じゃないですからね。「与えられる場所」ではないというか。
ある程度中堅となった今では「そうだぞ、甘いぞ」という気持ちは、よくわかります。
でも、自分の新卒の頃を振り返ってみると「成長したい」って言葉を「年上が喜ぶおべっか」として使っている場合がほとんどでした。もちろん、自分のためでもあるのだけど、そう言うと、上司に喜ばれるし、真面目に見られるから言っとこう!みたいな。
だから、私は「若い子がぜんぶだめ。」とは思えず、むしろ上司という人たちが「若い子の表面的な向上心を、喜んで受け取ってたじゃん」というむなしさを感じたのです。
やっぱり経営者は、ついてくる人間の気持ちなんて詳しくわかんなくなっちゃうのかな?悲しいな。でも、LINEは急成長を遂げているのだし、そんなこともないかもしれない。
といったような疑問があったんです。
作れない人が、どうやって技術者のパワーを「LINE」というプロダクトに凝縮し、ヒットさせたかがすごく気になっていたのでした。
読んでみると、現場を尊重する視点と経営を推しすすめる視点を絶妙なバランスで制御されている印象をうけました。
読んでみると、現場の人のパワーをどう活かすかを要にしたLINEを動かすためのルールがたくさん並んでいました。何よりも、「プロダクトが大事」と言いきっているシーンが多々あって、すごく嬉しかったです。
なかなか、経営側の方で「プロダクトの大事さ」を共感できる人って少ない感じがしているのです。
本は、こんなことについて書かれています。
・仕事は自分でとりにいく
・仕事はしんどくて当たり前
・自分の「感性」でいきる
・「空気」を読まない
・「専門家」にならない
・「確信」がもてるまで考え抜く
・「情報共有」はしない
・「クオリティ×スピード」を最大化する
経営者じゃないのに、経営論を知っておくといいと思うこと。
デザイナーという職業は、経営者や営業と意見が分かれ、悲しい思いをすることもたくさんあるのだと思います。
私もそういうシーンがたくさんあって、「どうすればいいんだろ。」と自分を変えるための本や情報ばかりを取り入れていましたが、大きな効果がでなかったのです。
そこでこういった経営視点の本を読むようになったのですが、
経営する人ってこんなこと重要視してるんだ!こんなこと必要としてるんだ!
と知りました。そうすると、こんなことを新しく考えるようになったのです。
「今、何が求められているのか。」
スピードなのか、クオリティなのか、プロジェクトマネジメントなのか…
「なぜ、今このタスクが与えられたのか。」
短期的、中期的、そして長期的な視点で経営をすることを考えているラインの中で、なぜ今なのか?を把握していないと、パワーの込め方が、わからなかったりするものです。
「お金はちゃんとついてくるか。」
この世は資本主義。とわかっていても、デザイナーの中には、お金にあんまり興味がないタイプ(私も)もいます。
経営者は常にお金と比較して物事を考えているため、自分の作業がちゃんとお金につながるものづくりになるか考えるようになります。
要はどういうデザイナーが必要とされているか知らなければ、どんなにスキルがあってもうまくチームで活かせないんだ。と再認識した本でした。
まだまだ私は失敗ばかりですが(笑)めげずに頑張ろうと思います。
ベンチャー企業に勤めている方には、よくリンクする部分があってオススメですよ。
それでは^^