【デザインした】デザイナーがロンドン一人旅で描いたスケッチブックをさらしてみるよ

美大生の時に、なぜかふと思い立って、ロンドンの美術大学に留学している友人を訪ねて2週間の初海外旅行をした。初めての海外で、初めての一人旅だった。

私の家族は、暇を見つけると旅行に行く人種だった。住んでいた場所が飛騨高山というめちゃくちゃ田舎だったことがひとつの理由だと思う。

買い物も、遊びも、近隣まで出かけないとめぼしいものがない。

だから、初めての旅行が海外にひとり旅というのも、不安は全くなくてワクワクしていた。

今でも暇を見つけると旅行に行きたいなーと思うんだけど、家族旅行なんて1年に1回もいかないよ!って人もいて、家族の形はいろいろなんだなあと思う。

 

ロンドンでは、友達の家にずっと泊めてもらって観光をした。片田舎の進学校で唯一同じく美大を目指していた男の子で、宿代はいらないよ。と言って2週間好きに遊ばせてくれたし、学校も案内してくれた。

それでもチケットとあちらで暮らすお金で20万は必要だった。全額バイトで貯めていくつもりだったけれど、1日だけの短期バイトの繰り返しはとっても辛くて途中で挫折した。半額は、家族が出してくれたように思う。初めての海外旅行はすねかじり旅行だった。

ロンドンの空港に着き、入国審査でいろいろと質問された。準備万端で「SightSeeing」という単語を準備していたが、全然聞き取れなかった。

「パードン?」とやっとの思いで答えると、審査官に「もう行け」と追い払うジェスチャーをされた。

そこからは友人が迎えに来てくれ流暢なロンドン式の英語でいろいろと助けてくれた。誰もが見上げないと顔が見えないほど背が高くて、肌の色がみんな違った。

わたしがここでわ〜帰りたい!!と発狂したとしても、12時間のフライトを我慢しないとそれは実現できないのだ。と思ったら、楽しくて怖くなった。

とにかくお金がなかったし、当時もロンドンは物価が高かった。

私はとにかく地下鉄に乗って、向かいの人の顔をひたすらスケッチしていた。日本に帰ってからも同じ試みをしたのだけど、日本人はのっぺりしていて難しかった。

日本の美大にとどまることなく、いきなりセントマーチンに留学した友人は私の憧れだったし、人間として大好きだった人だ。

今はもう連絡先も知らなくて、人生のターニングポイントともなった人でも、こうやって連絡がとれなくなっていくのか。と思って悲しい。それでも、私は彼のことを大好きだったな。と思い続けたいし、伝え続けていきたいと思う。

絵に対して頭がカチカチだった私に、自由に描いて良いのだよということを自分の作品で教えてくれた。

ケイトモスがくるというクラブに連れて行ってくれたり、セントマーチンの友達を紹介してくれた。クラブで、彼女と一緒に葉巻の巻き方を教えてもらって吸った。すごくまずくて、びっくりしたことを思い出す。

お金も知り合いもいない土地で、長くて短い2週間を過ごした。大英美術館やビクリトア&アルバート美術館は無料もしくは格安で入れた。そこでスケッチをしたりしてただただ過ごした。

ロンドンはいつも本当に曇り空で、夜は店が早く閉まる。夜遊びをしない日は、すごく静かな街だ。私は帰ってきて彼に今日何をしたか報告し、彼は彼で作品を作ったり一緒に土鍋でご飯を煮ながら、もう飽き飽きしているであろう観光名所の話を優しく聞いてくれた。

わたしはレシートの裏に手紙を描いて家族や友達に送ったりした。

ブランド物には今も昔もあんまり興味がなくて、欲しいものは重たい本ばかりだった。帰りのトランクが数十キロを超したことを覚えている。フリーペーパーやチラシもどれもものすごくおしゃれに感じて、置いてくることができなかった。

古めかしい店と、あまりにもおしゃれで高級な店が入り混じるロンドンの街は、「ずっと住むことはできないなあ。」とワクワクの横で冷静に感じたことを思い出す。

今見ると、厨二病かなと思うことがいろいろ書いてあって恥ずかしくもあるけど、形に残しといてよかったなあ。と思うのもある。

これ以降の海外旅行でも、同じように1冊ノートを買って持って行ったが、どうも最終日まで続かなかった。この旅行はひとりだったから、ひたすら自分と向き合う時間があった。

誰かと一緒の旅行では、その時に楽しい気持ちや不安を共有したいから、立ち止まって書いている暇はないんだね。友達との海外旅行は大好きだけど、久しぶりに一人で海外に行ってみるのもおもしろそう。

お金になるとか、何かを実現するとか、それはとても大切なことだけれど、こういう何も生み出さないこと、が意外と今に繋がって生きている。

必要な時には付け足していこうと感じています!

ではでは@w@

2 COMMENTS

manaty_design

アレックスさん
どうもありがとうございます!うれしいです〜*^^*またいつでもお声かけてください>w<

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