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Manaty Graphic Design

ベンチャーとフリーでデザインをしているマイペース女デザイナーです。非デザイナーさんともデザインの話をする世界をつくりたいんだ。

【良い展示】得意なものは2つあるべき。と教えてくれた写真家の先生とその作品を見て感じたこと

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「得意なことは1つじゃダメだよ。2ついる。どちらかがダメになっても立っていられるからね。」
十文字美信さんの写真の個展を見に鎌倉に行ってきました。

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誘ってくれたのは写真家のReiko Wakai。私と彼女は大学時代十文字先生の写真クラスを専攻していたのでした。

十文字美信さんは金麦の広告写真などを手がけている著名な写真家さんです。先生のクラスは写真家を目指すスタンダードな人から「十文字先生の授業なら受けたい!」という、先生のファンみたいな生徒まで、毎年大人気でした。

文頭の言葉は、先生が授業で話した一言。そしてこれが、美大生4年間の中で一番私の心に残った言葉でした。若い頃からカメラを握ってきた経歴をもつ、写真を極めたような方が「1つじゃダメ。」という姿はものすごく説得力があったし、こわくもありました。

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「卵と角砂糖と豆腐を使って、エクスタシーを表現しなさい」

先生の課題はどれもユニークですごく悩まされたのでとてもよく覚えています。普段見ている日本の豆腐はどうしてもエクスタシーにはならなくて、どの授業よりも時間をかけてスタジオで撮影したけど、全然納得いくものが撮れませんでした。でもわからないからこそ、頑張りたくて。他の授業の課題もたくさんあるのに、スタジオを予約して卵とか角砂糖とか豆腐とかと格闘して…。最後ぜーんぶ混ぜたくなってぐっちゃぐちゃになるの。それでもこの課題は難しくて最後まで思ったように撮れませんでした。

講評では「確かにエクスタシーを感じる」作品がちゃんと数点あって、同じカメラで同じようにシャッターを押しているだけなのに、こんなにも優秀な作品と違うことに、ますます写真への憧れと苦しさと謎が高まっていったものです。

のちに同窓会であの課題の話になったとき「白いものを撮るってプロでも難しいから、卵と角砂糖と豆腐なんだよ」と種明かしをされました。そんな難しい課題を、カメラを握りたての生徒に正面からぶつけるかっこいい先生。すごく優しいのに、すごく見えないこわさがあるのです。

今回の個展「刻々」では、様々に変化する水面の写真群が発表されていました。

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映り込みが見えそうで見えなかったり、水面が大きな生き物に見えたり、水ではなくて油絵に見えたり、だまし絵のように解像度が変わって見えたり、見えそうで見えない何かを見せられている気分になる写真でした。何時間でもその場にいられそうな位いろんな見え方のする写真でした。Reikoと二人、真ん中の椅子に腰掛けてずーっとぼんやり写真を見ていました。

そのあとは、ギャラリー隣の先生が運営しているCAFE BEEでお茶。

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めっちゃ濃厚で美味しいケーキと、綺麗なアンティークカップに入ったコーヒーを飲みながら「先生も作品もかっこいいなあ。」ってずっと話していました。

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こだわりのアンティークカップらしい。繊細…

f:id:manaty_design:20161217002414j:plainすごく濃厚で嘘なく、今までで一番美味しいチョコレートケーキだった。

残念ながら当日先生は在廊されていなかったので、Reikoと手紙を書く。

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私は写真が好きです。でも、写真家という職業がセンスの塊のようで、説明しつくせなくて、それが怖くて、職業にはとてもできない。と10年間ずっと感じています。でも写真は撮り続けています。それくらい、写真に敬意とラブが持てたのは十文字先生やそのクラスで出会えたReikoのおかげかもしれない。

展示はもう終わってしまったのですが、素晴らしい先生であり写真家さんなので、ぜひ伝えたいと思い書き留めました。CAFE BEEではいつでもオリジナルブレンドの美味しいコーヒーをいただくことができます。ぜひ。

あとね、Reikoと食べたカツがめっちゃ美味しかったから、鎌倉に行ったら食べてね。キャベツとごはんはお代わり自由だったよ。笑。

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