manaty
私はというと、最後まで「教える」という言葉をうまく使えませんでした。
いつも喉まで出かける「教える」って言葉が気恥ずかしくて、「やり方をお伝えしますね」とか「覚えてくださいね」と言いかえていました。
デザイナーになって8年、「デザインってなんだろう」という思いが今もぐるぐるしています。
自分自身も、毎日先生であり、生徒の気持ちで仕事をしたり学んでいます。
だから「教える」というより「私はこうやってるけど、どう考えてる?どう思ってる?」と生徒さんと同じ視点の対話を大事にしているつもりです。
今回は授業の中で、学んだことを書いてみます。
目次
デザインにはトレーニングすれば誰でもわかる理論がちゃんとあります。
センスがなくて…という相談をよく受けるようになりました。
確かに、難しいですよね。
きれい・かわいい・クールみたいな感覚値も必要だから、仕様をきっちり決められない、工数が見積もれない仕事も多々あります。
デザイナーと仕事をされる非デザイナーさんが悩む気持ちもよくわかります。
しかし、気楽に考えていただきたいのですが、国語や数学と同じで、実はデザインも学べる分野です。
デザイン理論の基礎は、必要な情報に優先度を持たせて、視覚的にどう見せるか。ただこれだけ。
この理論がわかっていると、デザイナーとのやりとりもスムーズです。
そして、トレーニングして身につけることも可能だと思っています。
例えば、私のクラスのカリキュラムは名刺・ハガキ・A4両面DMとデザインする情報量がどんどん増えていきます。
徐々に負荷が上がるよう考えられているのです。
「急につくれって言われても…」「絵が描けないんです…」と言う生徒さんも、デザイン理論とソフトの使い方をお伝えすると、どんどん作れるようになっていきます。
そして最後は「こういうデザインやってみたいんです!」という要望まで出てくるように。
manaty
丁寧に伝える努力をしていきたいです。
かっこいい今までのやり方が時代に合わなくなってきた
テクニックよりも本質。コンテンツ重視の時代だとネットの世界の人が口々に言うようになりました。
その波は少しずつデザイン業界も動かしていると感じています。
86世代の私は、デザイン業界が紙とWEBの狭間で動く中、美大でデザインを学んできました。
「電通博報堂のアートディレクターを目指せ!以上!」みたいな美大の授業。
そこにひたすら向かえば良い環境でした。
将来を見据えた同級生もいる中、私は自分の適性がわからず、ビジョンを持たないまま「なんとなくかっこいいアートディレクターになれたらいいな」とぼんやり過ごしていました。
数年経った今、あの時代は確実に終わったな。と捉えています。
インターネットはどんどん身近になりました。
残念ながら、私は博報堂のアートディレクターにはなれませんでした。
就職掲示板にぽつぽつと貼られていたIT企業と、紙のデザイン事務所の求人数は、あっという間に逆転しました。
私はIT業界に就職が決まり、突然RGBの世界に投げ込まれました。
残念ながら美大で習ったCMYKの知識はほぼ生きませんでした。
そうしてここ1〜2年、大企業がばたばたと不祥事や、経営不振に陥る世の中に。
憧れだったクリエイターは、世間の批判の的になってしまいました。
今までの「かっこいいやり方」は、もはや時代に合わないんだなと実感するようになりました。
移り変わる時代の中で、私はショートカットする知恵がなかったこともあり、ただ悩みながらデザインを続けていました。
今、個人が活躍する時代が現実になっています。
飲み会や自分の会社では、やりたいことや夢の話で溢れています。
それぞれ十人十色の夢を語る、おもしろい時代です。
そんな時代の変化の中、点、点と続けてきた経験がつながり、ここ1年様々な業種のデザインに携わりました。
さまざまなバックグラウンドや思いを持つお客さんと話して思うことは、
思いの強さ以上に「伝え方へのこだわり方」で成功と失敗は決まる。
という、極論ですが持論です。
「お客さんに来てもらえるチラシを作りたい」
「自分の思いを届けるためにWEBを立ち上げたい」
そういったコミュニケーションデザインの価値は、ただひとつ。
「時間や距離を超えた相手に思いを強く伝えること」
どんなに話が上手な人でも、1000人に対し一瞬で自分の思いを届けることは難しいです。
だから印刷物やWEBなど、多くの人に届く媒体を作るのだと思います。
manaty
実際に、よく自社の特徴を知っている、考えているクライアントさんは、どう伝えるか、こだわるか、ポイントをよく考え、しっかり抑えているのです。
それぞれの夢や理論を語る時代だからこそ、ひとりひとりが伝える技術=デザイン理論を知らないと、もはや隣の人と同じメッセージに見えてしまう時代ではないでしょうか。
だから職業は関係なく、メッセージを持っている人にこそデザインを学んでほしい。
伝えることに生かしてほしいと思います。
大事なのはデザインよりも、伝えたいメッセージ。
アツアツの、マグマみたいなその情熱をそのまま1000人に届けるためにデザイン理論を知ってほしい。
という思いが、講師業をやる理由に近いかもしれません。
デザインツールもあふれ、手頃な価格になりました。見た目が綺麗・正確に伝わるデザインは、もはやみんなができる時代だと思うのです。
それはデザイナーにとって仕事がなくなる恐怖ではありません。
manaty
非デザイナーさんと、デザイナーさんが、お互いにもっと共通言語を持つ世界を目指して
デザイン理論は伝える技術だからデザイナーさん以外にもめっちゃ役立つよ!だから私はいろんな人にデザインの理論をお伝えしていくよ!という思いをなぜかアツくなって書き出してしまったのでした。
manaty
デザイン理論をベースに話ができたら「?」の不安はかなり減るはず。
デザイナーもマーケティングやエンジニアリングを学ぶように、デザインの基礎もビジネスの共通言語として知ってほしい!
なによりデザインをデザイナー任せにしないことは、確度の高いものが作れる。お互いの心理的安全性が高まってハッピーではないでしょうか。
そんな環境がポコポコ増えたら自分もハッピー。という、自分のためにも講師業をしています👌
全ての人におすすめのデザイン理論が手軽に学べる本「ノンデザイナーズ・デザインブック」は神!
- 作者: Robin Williams,小原司,米谷テツヤ,吉川典秀
- 出版社/メーカー: マイナビ出版
- 発売日: 2016/06/30
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manaty
ってな感じで、是非みなさんも気になったデザインや書籍、習い事などから、デザインへの一歩を踏み出してくださると嬉しいのです>w<
難しいことなど、ないっ!(ほんと)考えることはいっぱいあるけど、だから面白い〜!
きっとどんな人にも役立つ分野です。是非たくさんかじってみてください〜!
今回は講師業に絡めて、自分のデザインに対する考えをまとめてみました。
ではでは〜₍₍ (ง ˙ω˙)ว ⁾⁾
Manatyさん
こちらのブログ投稿で言われているグラフィック理論についてマナティさんが担当されていて受講できるセミナーがあれば教えて戴くことはできますか。
id:moonhillsさん
こんにちわ!コメントありがとうございます。現在私はデザインの学校http://designgakkou.jp/
でB応用コースを受け持っています。
が、3ヶ月コースでカリキュラムもムーンヒルズさんにあっているかはまだなんとも言えないので、お住まいが近くでしたら一度学校に遊びにいらしてください^^
twitterのDMなどでご連絡いただく・もしくはデザインの学校宛に直接連絡くだされば幸いです。※わからなかったらコメントください〜。
どうもお気に留めていただきありがとうございます^^