先日、デザインのワークショップの講師をするきっかけをいただき、小学校で「家族が喜ぶ箱をつくろう!」という授業のお手伝いをやってきました!
子供の頃、私自身もデザインを学んだ経験はありませんでした。最初は戸惑いながらでしたが、「誰かのことを思いながら、楽しくものづくりをする」経験は、子供にとっても、親御さんにとっても、楽しく学べるひとときだったようでした!
目次
ワークショップは「家族が喜ぶ箱をつくろう!」というテーマでスタートしました。
今回の生徒さんは私にとって初めての小学生!未知の世代!!謎ジェネレーション!
そもそも子供ってデザインに興味があるのか…?子供とデザインの話がうまくできるだろうか…?(不安)と、色々と楽しみに当日を迎えました。
初めて「デザイン」をする上で一番伝えたいことは「誰かのためを思って作ること。」
子供さんには、当日までに「デザインシート」を用意してもらっています。このシートには、「誰のためにつくるか」「どんな箱か」という質問と、簡単なラフを書く欄があり、家族にヒアリングしながら、シートを埋め、どんな箱をつくるか親御さんと相談をしたうえで、素材を持ち寄ってもらいました。
私たちデザイナーも、何かを作る前に必ずお客様からヒアリングをしたり、その情報を元にラフを描いたりします。
子供たちのシートを見ると、全く書いてない子もいれば、お母さんの好きな色や、素材の名前まで細かくヒアリングしてメモしている子も、様々でした。
シートを元に、ひとりひとりの子供さんとお話して、どんな箱にするのかを聞き、迷っている作業があれば手伝います。この日は授業参観日として、親御さんも参加されていました。親子でシートをみながら箱を作り上げていきます。
ナチュラルなデザイン。飾りつけはママと一緒に、バランスを見て。
シートに全く書いてない子に「何作るの?まず描いてみたら?」と言うと(大人を教える時も、まず描いてみたら?と言います。)「いやだ!」と言って走り回ったり、無言で恥ずかしがってくねくねしたり。わがままで可愛いなあw
私は普段、大人を教えていますが、大人だって、何を作るか、なんのために作るか、お絵かきに慣れていない方ほど、言葉や絵で共有し合うのは、とても難しいことです。「どうやったら子供が何を考えているか読み取れるか。話ができるか。」をひたすら考えながらひとりひとりに話しかけてましたが、むずかしいですね!親ってすごいなあ〜。中には綺麗な仕切り!使いやすさを重視して。
大人にデザインを教える時と、子供にデザイン教える時の大きな違い
私が普段デザイナーとしてコミュニケーションをとる時に、気をつけていることは2つあります。
ひとつは、同じ作り手さんに話す場合は、多少長ったらしくても正確に意図を説明すること。
ふたつめは、グループや複数人で何か意見を言う時は、結論を先に、短く、多少気恥ずかしくても、ドラマチック、印象に残る単語を使って話すことです。
でも、子供にはどっちも通じないのだった!!!!
ひえ〜。とにかく、話す内容を「自分が伝えたいこと」じゃなくて、「この子が興味を引くこと」とか、「1秒くらいでわかること」じゃないと全然響かない!
だから、「かっこいいね!」とか、「このモールのキラキラしててかわいいよね!」とか、まずは子供がワクワクすることを見つけて話しかけるよう努力しました。
ワークショップ開始後は、全くのでくのぼうでしたが、(笑)一人一人の席を回って、少しずつ慣れてきたこと、また何度も子供のワークショップをしている講師のみなさんや親御さんの助けもあって、少しずつ子供と仲良くなれました。
リアルタイムで授業の方向を良い方へ良い方へと変えてく先生たち…!すごい…!
プレゼントする相手の気持ちを考えて作る、楽しさと思いやりを感じてもらいたくて!
箱が完成したら、最後に先生3人がそれぞれ「グッドデザイン賞」を数名選んでプレゼントします。
このグッドデザイン賞のポイントは、「クオリティの高い箱」ではなく、「誰かのためを思って作られた箱」であること。
「自分の好きなものをつくる」ことと、「誰かのためにつくる」ことの違いは、子供にとっては難しいかも?と思っていましたが、お母さんに「この色がいいの?」と聞いたり、デザインシートを何度も見返したりと、子供たちはとても真摯でした!
ママのアクセサリーケースを作った子。キラキラジュエリーが貼り付けてあります。
「デザイン」って言うと難しいけど、「好きな人や大切な人のために何かする」って考えたら、デザインを知らない子供にとっても、結構ナチュラルなことなんだな。ってシンプルに感じられたのは、私もとても勉強になりました。
アクセサリーが入れやすく、かわいいように綿がしきつめてある。かわい〜。
ぶっちゃけて言いますと、野生で、自然体で、だいたいの子がデザインのことなんてわかんないし、興味もなかったりします。そもそも図工が嫌いそうな子もいっぱいいます。で、私だって、名ばかりの先生で、最初はおろおろしていました。
それでも、なんでこの色にしたの?とか、これを貼ったらどうなるだろうね。と、コミュニケーションをとると、ちゃんとなんらかの形で子供たちは答えを出すんです。デザインも包括して、コミュニケーションしようとする気持ちってすごい!と思いました!子供にもちゃんとあるんです。
鍵をかけるストローを補強しつつドレスアップするため、リボンの巻紙を貼り付けることに。そのあと、テープを全面に綺麗にはりつけていた。色はママの好きな赤。
大変勉強になりました…!
終わったあとは、誘っていただいたデザイナー先生たちと乗り換えの浅草駅でおそば。初めての体験で頭がぼーっとしてましたが、すごい勉強になった!
普段デザインを教える時も、ブログも、何かと言葉の力に頼りがちで、言葉をうまく使いたいと努力している最中だけども、だからこそ、言葉じゃないコミュニケーションって、とってもスピーディーでとっても強い!と子供たちに教えてもらいました。
やっぱり、作ってるところを実際に見せたり一緒にやったりするだけで、一瞬にしてコミュニケーションできたり、関わりのない相手をずどんと落とせたりするわけですね…!
デザイナーならなおさら!言葉も大事だけど、言葉以外のコミュニケーションも、すごく大事!
私もたくさん学ばせてもらったワークショップ体験でした!教える活動は、引き続き今年も続けております^^死んだらぜんぶなくなっちゃうから、その前に勉強したこと放出していきますね!
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