働きたくなくない。超働きたい。
「働きたくないなあ〜」という気持ちはあんまり無い方です。どっちかってと、正直遊ぶことが下手なので、仕事があったほうが楽しい。
「遊びでやろう」と言われると、規制がなさすぎて途端にどうしていいかわからなくなってしまう。
「仕事だよ」と言われたほうが、自分で考えなくても、いろんな制約がもうそこにあるので、逆に楽チンなのです。
話が戻って、この本を読んだのは、一介のデザイナーでも1日24時間じゃ足りない、では、2つも3つも会社を掛け持ちしている種類の人は、どうやって大きな組織やお金を動かしながら、同じ1日を過ごしているの?という素朴な疑問からでした。
著者はサーティワンアイスクリームフランチャイズ店を運営する小池則夫さん。大阪を中心に26店舗ものフランチャイズを展開し成功しているとのことだった。
出典『深夜のサーティワン♡』by pinkmomo : サーティワンアイスクリーム 岸和田ロードサイド店 – 下松/アイスクリーム [食べログ]
この「岸和田ロードサイド店」は2010年、サーティワン本部が選出する「ストアー オブ ザ イヤー」を受賞したようだ。そしてこの結果を
「日本一という快挙は、若いアルバイトやベテランのスタッフといった現場の人々が、実際に手を動かして取り組んできた結果だ。」
と語っています。
目次
「寝ている間に稼ぐ」を目指す。
現場のことはまったく知らない。それでも20億円超の会社をやっていけるのは、社員やアルバイトに安心して任せられるように、相応の仕組みと仕掛けを用意しているからだ。
小池さんは働かないちゃらんぽらん社長ではなく、「自分が携わらなくても現場のヒト・モノ・カネが活発に動く仕組みをつくり、数字を生み出す」という仕事を「働かない」と表現しているのでした。
モノではなく、カルチャーを売る
We sell fun. Not just ice cream.
We make small theme park in town.
販売するモノ(アイスクリーム)だけではなく、文化を売る。
文化を売るというのは、サーティワンに訪れる体験ごと、特別な楽しい出来事にしてしまうことが大切だという考え方。
そのためには、アイスクリームだけではなく、店舗のライティングにこだわる。接客時の挨拶にこだわる。など店のデザインや接客などソフトの部分で、カルチャーの訴求方法はもっと工夫できる。と語っている。これはデザインにも通じる!
では、実際にこうやって出来上がったワクワクする店舗を、どうやって運用するのか。それは「ヒトに任せる」技術だそう。
「1000人までは命令で動くかもしれないが、1000人になれば頼みます、10000人にもなれば、拝まなければ人は動かない」
これは松下幸之助の言葉らしいのですが、「若くて経験のない人材にも安心して任せられるようなビジネスモデル」を組み立てることが、大事だそうだ。確かに。
では経験のない若者を育てながら、利益を出す秘訣はというと、「すべてを数字に置き換える」ことだそうだ。
社員、店長はじめ、アルバイトにも全店舗の売り上げや利益、人件費を共有することで、一人一人が自発的に「数字を伸ばすにはどうしたらよいか」考え始めるそう。
確かに、うるさい店長が「ビラを配ってきて!」と言うよりも、数字を見てどうしたら売り上げが上がるか考えて行動するほうが、責任感もやりがいも変わってきそう。
そこで終わらず、売り上げが上がれば給料に反映する、新人でも店長に任命する、など様々な「やる気度アップ」ギミックがしかけられている。
一箇所ダメになっても、「補い合えるビジネスモデル」を目指す
このような、ヒトを育てる仕組みで店舗を運用しながらも、ビジネスとしては、多数の小組織を束ねるモデルで「ひとつダメになっても、大丈夫!」という仕組みをつくることが大切だとも語っている。
また時代とともにビジネスも変わるため、「スクラップすること」自体もまた必要だと考えているそう。
自分でやろうとすることは、本当に正しいのか。
目から鱗だった一言は
なんでもかんでも全部自分でやろうとしたがる人が多すぎる。経営者とはヒト・モノ・カネ、情報をうまくコントロールして、社員をスターにするものだ。
とにかくこれ。
この考えをベースにつきつめると、自然とオーナーがやることは少なくなるのだそう。
確かに、よくtwitter界隈にいる「スタバでコーヒー飲みながら50万円稼ごう!」的なヒトも、結局はこういった仕組みづくりをしているのだね。
デザイナーとして働く=何らかの形で稼働してアウトプットを生み出す
ことだと思うので、こういう経営者視点は最初抵抗があったが、
しくみを作る=エコシステムのデザイン
デザインの究極体ですね。特に、デザイナーさんは「いくらでもいいので、作らせてください…」みたいな仕事クレ金イラナイポジションになりがち。
自分のデザイン業を回すためにもこういった類の本をたまには読んでみると新たな発見があるかと思います。ぜひ>w<
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