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今回はだいぶ昔のことになりますが、デザイナーになる前に、私が美大浪人生として予備校に通っていた時期に、どんなルーティーンで1日を過ごしていたかをまとめました。
実際に当時描いたデッサンも最後にのっけています。
目次
ざっくりまとめる、美大予備校生の1日
美術予備校も、高校のように始業時間と就業時間が決まっています。
私がいた予備校では10時から17時とか、18時だったかなあ。夜からは、現役生の授業が始まるので、それまでは残って絵を描くこともありました。
私は地元に予備校がなく、名古屋で一人暮らしをして絵の勉強をしました。予備校帰りに飲食店でアルバイトもしていました。
美術予備校のカリキュラムはどんな感じなの?
予備校に入る前にざっくりと自分でコースを選んでおきます。
主にファイン系(日本画や彫刻などを学ぶ)とデザイン系(グラフィックデザインやインダストリアルデザインを学ぶ)に別れていました。
入学して1ヶ月くらいは、絵だけではなく、粘土を作ったり、水彩画を描いたりと、体験的なグループワークをしました。その後、正式に目指したい学校や学科を元にコースを選びます。
私はデザインで食べて行きたかったので、平面デザインクラスを選考しました。
なんでグラフィックデザインやってるの?と聞かれますが、それ以外のクラスをあまり考えてなかったという単純な理由です。
そのまま美大のデザイン科に入り、そのままグラフィックデザインを仕事にしました。
今、美大受験を考えている方は、自分が何になりたいか、何が好きで、何が得意か、少しだけ未来を考えておくとコース選択の迷いや後悔が減っていいと思います!
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本格的なコース分けのあとは、朝から晩までデッサン・色彩構成をひたすら描く日々を過ごします
私が通った名古屋河合塾予備校は、国語や数学といった授業は一切なく、1日朝から晩までデッサンや色彩構成に励みました。
今振り返ってみても、人生で一番絵に向き合った1年です。
1年間毎日ひたすらこれの繰り返しです!(びっくり)
で、具体的にどんな1日を過ごしているの?
朝、その日描くモチーフが予告なくでーんと教室に準備してあります。
モチーフは石膏像だったり、テーブルに組まれた静物だったり、自分の手だったりします。
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石膏や静物など、大きなモチーフの場合はみんなで囲みます。朝は席をとるために、ちょっとした戦争でした。
生徒は、物静かにデスケルを当て、描きたいポイントを狙って、ゆらゆらと着実に陣地を争奪しあいます。
ちなみに遅刻すると、ベストポジションをとった他の生徒が1mmも動かないからね…というオーラをにじませているので、肩身も陣地もせまくて辛い思いをします。
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毎回大汗かいて死にそうになる講評会が待ちわびています!
授業の最後には毎回「講評会」なるものがあります。
ずらっと全員の絵を並べ、先生が評価する時間です。
この講評会で自分の作品が取り上げらたら、その日はもうYEAH!めっちゃホリディ気分!
「このブロッコリー生きてるねえ〜」なんて褒められたりしたら「いよっしゃあああああ」と叫びたい気分です。
でも、そんな気持ちを一切顔に出さずふむふむ・・・勉強になります。みたいにクールに聞くふりをするのが美大浪人生。(だと勝手に思っている)
逆にダメだしされると気分はベコベコベッコリだったりします。
講評会の時間は毎回手に汗にぎる時間でした。
私は講評会で自分の下手くそな絵をお披露目するくらいなら死んだほうがマシと思い「提出したふりをして実は隠し持ってるの術」を使いまくっていました。
終盤では先生に「また?」と言われる始末。(ばれている…)
今思うと、お金払って授業受けてて、見せないってもったいない!馬鹿かよ!と思うんですけど、その頃は絵が上手い・下手ですべてが決まるような世界で、下手な絵を提出することは処刑レベルに恥ずかしかったんです。
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(と言っても、友達や先生とは仲良く、みんな和気あいあいとしていました。顔に出さない闘争心を持ちながら、自分の絵と戦ってるイメージですw)
めちゃくちゃ上達が遅くて自分自身にヒヤヒヤしました
私は、結局入試3ヶ月前まで全くデッサンが上達せず親や先生に大丈夫か心配されていました。
下手くそな自分の絵を見ながら毎日トイレでこっそり泣いてたし、講評会で取りあげられることもない日々を半年ぐらい繰り返しました。
それでもなんとか先生に面倒見てもらい、諦めずに描くことで秋頃からようやくコツをつかんできました。
すっごくすっごく自分自身に焦らされましたが、なんとか人並み描くことができるようになりました。
今振り返ると一番絵に向かい合った大事な時間です
実は大学よりも予備校で絵について学んだことが多かったと今でも実感しています。
今お仕事で役に立っている美術の基礎知識はすべて予備校で学んだことばかりです。
例えば、
・鉛筆で色々な素材を描きわける方法
・手前と奥を描きわける方法
・鉄の素材に周りの風景が映りこむ様子
・ガラスの反射
・加法混色・減法混色
・明度・色相・彩度の関係
・パースを考える
など、これら予備校で体に染み付いた知識は、本当に美術の基礎の「き」ですが、ロゴを作るとか、写真を撮るとか、デザインするとか、すべてに役立っています。
美術予備校に行くなんてラッキーだぜ!と思って良いかと
manaty
たった一枚の絵のために、泣いたり笑ったり、すんごく真剣で楽しかった1年でした!
デザイナーになって6年経つけど、めっちゃ役立ってます。あと、
・絵が描けなきゃ落ちる!っていうギリギリの精神状態(ハイ)が味わえる
・もっと上手くなりたいっていう向上心がむき出しになる
・今までの義務教育で教わらなかった美術に関する基礎知識を学べる
こんなの学べるの美術予備校ならではだと思うんですよね。
楽しくやっちゃってください。
親も不安だと思いますが、落胆せずにどーんと見守ってあげてほしい
子供っち同然に、親っちも「うあああ浪人した…うちの子…」と目の前が真っ暗になるかもしれませんが(うちの親はそうでしたw)
・美大予備校は半分運!(運も大事ですが、倍率が高い学科が多いので、落ちてもしょうがない)
・20年後まで社会で生きる知識を学びにいくのだ、と楽観的に思って送り出して
親と大げんかして浪人し、美大に行ってデザイナーになった私も意外と元気に生きています^^!
お金もかかることなので、当時はシリアスなシーンもありましたが、美大に行って良かったです!みなさんも、これ読んでちょっとでも心が軽くなってくれたら嬉しい。
デッサンって何の役にも立たないように見えて、すごいスキル!
世界を自分の手で描けるデッサンはすごいスキルです。
まず、鉛筆で表現できる征服感が味わえます。
これは絵を描き続けた人でないと知らない、ヤバい快感だと思っています。
これは私が上達しだした頃のデッサンです。
全く描けないスキル0からスタートして10か月。
このくらいは描けるようになりました!
才能でもセンスでもなくだれでも訓練さえすれば描けちゃいます。勉強と一緒だね。
すっごい下手な時のデッサンも見つけたらのっけたいなー。
面白いくらい下手くそなので比べてほしいです。
manaty
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美大予備校って厳しいところはほんとに怖いらしいですね;;
わたしが高校のとき通ってたのは美大予備校というよりも普通の絵画教室だったので、めちゃくちゃまったりしてました笑
受験専門の美大予備校入ってたら厳しさに挫折してたかもです汗
たむさん
そうなんですね!私が通ってた予備校もどっちかといえばアットホームでした。
東京近郊の予備校だと、やっぱり結構厳しそうな話は聞きますねえ〜。
今は笑い話ですがあの頃はやっぱり絵一つかけないことも辛かったですねえ〜^^
たむさんの絵、みてみたい〜〜!!
こんにちは。たまたまこのブログを見つけたのでコメントさせていただきました。
私は高3で某美大のデザイン科をめざしています。
現役で受かるのかものすごく不安ですが日々絵の練習わ頑張っています。
アドバイスがあれば教えてください(><)
しばさん!現役なのですね!頑張ってください〜!!もうすぐ受験だと思うので、冷静な一言を!おそらくもう試験まで日がないと思うので、自分が一番今からやって伸ばせるところを再確認してみてください。
実技(絵)が苦手であれば、今からは勉強に力を入れたほうが点数が取れるかもしれないですし、実技(絵)が伸びている最中なら、焦らず毎日描いて伸ばすと点数がとれるのではと思います。
試験当日のシミュレーションを何回かすると良いです!私の受けた美大では、試験中は途中で立って遠くから見ることも禁止でした。そういう試験ならではのルールに、慣れておくと焦らなくて良いです。予備校とか学校の先生にそこらへんの情報を聞いて、普段の授業中に同じルールでやってみてください。
とにかく勉強でも絵でも、点さえとれば入れます。(漫画家の東村アキコ先生は、ダウジングとかサイコロみたいな手法を突き詰めて学科で点数とったらしいのですが、それでOKです。とにかく当日点がとれりゃいいのです!)
自分が残りの日数で何をやったら一番点がとれるか考えて、それに向かってレッツゴーですよ^^わたしゃいつでもお話しするんで気が詰まったらコメントくださいね!踊ったり歌ったりして応援しますよ!!
それでは〜リラックスして頑張ってください〜*^^*